障碍者雇用への取り組み

就労継続支援A型 ひまわり

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障碍者雇用の取り組み 第6回

就労継続支援A型ひまわり

就労継続支援A型ひまわり対談の様子

施設長 藤田 江津さん

これからは事業所同士が力を合わせて、本当に困っている人達に情報を発信していかなければなりません。

頑張っているから私も頑張ろう
私達にとってもスキルアップトレーニングです。結局のところ職員が率先してやらないと利用者さんが付いて来てくれません。

― ひまわりさんは就労継続支援A型事業をされていますが、具体的な事業内容を教えてください。

 事業内容に関しては軽作業と施設外就労をメインに展開をしています。先々に一般就労に繋げていくためにはコミュニケーションなどの対人スキルが必要とされ、うまくいかないと継続して就職するのは難しいのかなと思います。そのためコミュニケーションの取り方にも力を入れています。

― コミュニケーション能力向上のために具体的な取り組みを教えてください。

 SST(ソーシャルスキルトレーニング)など、しっかりとした訓練を基盤として、日々の作業中や休憩中の会話には職員が意識して気を付けています。その中で、不適切な言い方があれば、「さっきの言い方だと相手はどう思うだろうか?」と個人と話し合っています。

― 面談やカウンセリングは行っているのですか?

 頻繁にやっています。個人に伝えたいことがあった時は、それぞれの特性に合わせてこの人は時間をおいた方がいいという場合は帰る前に伝え、あの人は今すぐ伝えた方がいいという場合は作業中に呼び出して、「さっきこう言ったこと覚えてる?自分がもし言われたらどう思う?」と話しています。

― ひまわりさんは施設外就労にも積極的ですよね?どのように職場開拓していったのですか?

 はい。現在、施設外就労は4箇所で行っています。リサイクル業、貝の工場では詰め合わせや箱を作ったりします。倉庫のバックヤードではピッキングや検品作業ですね。そしてホテルでは清掃業です。開拓の方法は地道にビラ配りや訪問営業など、より作業単価の高い企業を求めて営業しました。

― 利用者さんの賃金アップのためを見越してですか?

 もちろんそれもありますが、軽作業だけですと一般就労の業務内容と結びつきにくいので、利用者さんの希望を基に絞りました。実際は清掃業のニーズが多かったです。人のために働きたいという理由から福祉関係も多いですね。一番多いのは清掃と調理で、料理がしたい・仕事以外にも生活のスキルを上げたい・料理や掃除が仕事だと自然に覚えるからとのことです。

― 利用者さんが一般就労したい職種にアプローチをかけているわけですね?

 今のうちからそういう仕事を取ってきたり、施設外に送らせてもらったり一般就労に繋げています。施設外が無理でも実習をお願いしています。

― 福祉職員さんですと営業する事が苦手だったり、未経験だったりする中で、企業開拓できるのは凄い事ですね。

 私達にとってもスキルアップトレーニングです。結局のところ職員が率先してやらないと利用者さんが付いて来てくれません。「職員さんが頑張っているから私も頑張ろう」というように行動する利用者さんもいます。

― 一般就労させる事と作業単価が良く、かつ一般就労に繋がる仕事を確保する事は、就労分野の福祉事業で一番の課題であり、最も取り組むべきところだと思います。通常、一般就労を目指している方は移行支援事業所を利用して就職を目指す方が多いですが、この地域は移行支援がありません。そのため、ひまわりさんがA型の事業所でありながら移行支援の要素を兼ね備え支援しているのですね。

 利用者さんが望む事に近づけていった結果ですね。

― 今まで一般就労された方は何名いらっしゃいますか?

 ひまわりはこの10月で設立して3年が経ちますが、今のところ15名ですね。

― 継続支援の事業所で15名の就職実績は、相当多いですね!

 そうなんですか?定着支援にも力を入れていますが、うまくいかず退職してしまった方もいます。ただ、社会に出る事で一般就労が大変だとわかる事もありますし、そこでたくさんの経験をしてもらい、その中で生じた問題を失敗とは思わず一つの経験としてもらいます。

― ひまわりさんは他の事業所や関連機関との繋がりがたくさんあるとお聞きしましたが、その繋がりはどのようにして築きあげていったのですか?

 私が知らない事業所でも積極的に電話しアプローチしています。例えば、B型でも就職させていると聞けばいい話が聞けると思って色々な事業所を見学させてもらっています。

― 桑員地区は職員さん同士の繋がりも多いと聞きますが、なぜですか?

 どの会議に行っても顔見知りの方が多いですね。会議が月に何回かありますし、勉強会やレクレーションもあります。A型事業所は個々で動いている事が多いので、他の事業所や関連機関との連携がとれて動けることによって色々な支援ができると思います。同じ立場でも色々な意見があって、アイデアのシェアができています。この集まりは、ひまわりの職員だけで発足したわけではなく、全く違う考えを聞く事で分かることがあるという、色々な人の声から始まりました。同じ福祉の仕事している人でも未だにA型とB型の違いすらわからない方がたくさんいます。これからは事業所同士が力を合わせて、埋もれている人達や本当に困っている人達に情報を発信していかなければなりません。行政も福祉も病院も連携をもってみなさんが繋がり、地域で動いていければいいのかなと思います。私共も関係構築をするためにボランティアに参加したり、色々な場所に何回も伺って顔を覚えてもらったりしています。

― 事業所としての繋がりだけではなく、職員さん同士が繋がっているんですね。

 そうですね。でも職員同士だけの繋がりだとその方が退職したあと関係が存続していけなくなるので職員全体でひまわりの顔になってもらっています。そうすることで個人での繋がりだけでなく、事業所同士での繋がりも続けていくことができると思います。会議や集まりも私だけではなく、他の職員にランダムで出席してもらっていますので、そこでも顔を売るようにしています。

― 最後につばさ読者の障がい者の方々にメッセージをお願いします。

 就労も大事ですが、ひまわりの職員はみなさんの一人一人の人生を考えています。「楽しい人生になるために」という事を中心に考えて就労支援に取り組んでおります。

第11回 「M.I.E」を多くの人に手に取っていただき、良さを知ってもらいたいです。


第10回 就労移行支援を利用すると意識が変わる!


第9回 三重県障がい者雇用促進企業ネットワーク


第8回 苦手なことが出来た時、喜びは倍以上になる


第7回 企業の障がい者雇用の門は、大きく開いています!


第6回 行政も福祉も病院も連携をもって繋がり、地域で動いていきたい。


第5回 これからの福祉と求められる就労支援


第4回 様々な方に働く場所を提供する事が国や社会への恩返し!


第3回 とにかく自分で、こうしたい、あぁしたいと気持ちを持つこと。


第2回 気負わず、落ち着いて、考え過ぎないことが大切。


第1回 あきらめないで!まずは外に出ることから。「僕でも出来ました!」


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